中野温泉天神湯 記念イベント

おふろ×健康

温泉が“こころ”に効く理由とは?中野温泉天神湯 記念イベントレポート【後編】

2025-06-18

こんにちは。おふろ部編集部です。

2025年6月6日(金)に、東京都中野区にある『中野温泉天神湯』にて行われた、株式会社Le Furo(ルフロ)主催の記念イベントに参加し、その様子をお届けする本連載。

前編では、医師・最高湯治責任者 稲葉俊郎 氏(以下、稲葉氏)による「温泉や銭湯と健康の関わり」について拝聴した内容をご紹介しました。

温泉が“こころ”に効く理由とは?中野温泉天神湯 記念イベントレポート【前編】

後編では、温泉事業に力を注ぐ株式会社Le Furo(以下、ルフロ)で行っている取り組みについて、ルフロ 代表 三田直樹 氏、 COO 新井和宏 氏(以下、三田氏、新井氏)のお話をご紹介します。

ルフロの取り組み

「日本の温泉を資源として有効活用し、国益を維持できるような取り組みを行っていきたい」これを目標とするルフロは現在、様々な仕組みを実現化させようとしています。

三田氏 トーク

▶︎クラフト温泉

クラフト温泉とは、温泉の成分をギュッと濃縮させたものを指し、移動型温泉を作る仕組みです。

前編で稲葉氏が話していたように温泉文化は「場所」を大事にしています

ルフロはこれを守るべき素敵な文化とした上で、この場を移動できるようにしたいとも考えたそうです。「“温泉地へのアクセスが困難な方がいること”や“温泉は継続していくことで体への効果を高める”ということを考慮すると、より身近である方がいいと思う」と話します。

クラフト温泉

そして、天神湯が温泉登録をしたように、全国にはまだまだ登録をしていないだけで、温泉として扱える銭湯がたくさんあるというのです!(これには正直驚きました…!)

具体的な取り組みとしては、「クラフト温泉を作るためのプラットフォーム」を地域に提供していきたいと話します。

「あくまでもルフロは知識を提供するだけ。作ったクラフト温泉をどのように利活用するかはその地域に任せ、温泉を通して人々を巻き込みながら地域活性化を行う活動ができれば嬉しい」と、各地域の温泉をできる限り資源化し、維持・発展ができるような仕組み作りに向け、意気込みを語ります。

▶︎喫煙室ならぬ喫泉室!?

温泉の実装手段を増やしていくために、喫煙室ではなく、温泉成分を吸収できる「喫泉室(きっせんしつ)」の設置も計画しているそうです。

「一服」という意味を、温泉派とニコチン派で選べるようにできれば、新たなリフレッシュにもなると考えているんだとか!

また、「喫泉室」であれば、洋服のまま温泉成分を取り入れられるというメリットもあり、新たな温泉文化になるかもしれません。

私では思い付かない発想だったので、とても面白いアイデアだなと感じ、ぜひ使ってみたいです!

新井氏 トーク

そしてルフロパートでは、「温泉は誰も不幸にしない資源である」という言葉に感銘を受けました。温泉水は人々にとってだけでなく、環境にとっても良いものだということを学び、より多くの人に温泉に対する理解が深まればいいなと思います。

銭湯絵師は日本に3人しかいない!

イベントの特別ゲストとしてご登壇いただいた銭湯絵師の千奈氏。

天神湯の銭湯絵は祖父にあたる丸山清人氏によるもので、千奈氏も祖父の影響を受け、この仕事をなくしたくないという想いから銭湯絵師として活躍されています。

千奈氏 トーク

また天神湯には素敵な富士山の絵が書かれているのですが、なんとこの絵には「白」「黄色」「赤」「紺」の4色しか使われていないそうなんです…!様々な色味を混ぜ合わせ新しい色を作っていくという所に職人の技を感じました。

天神湯 銭湯絵

また、銭湯は基本休まずに営業するということを大事にしているので、絵は1日で仕上げているそうです。

千奈氏の今後の活躍にも注目したいですね!

日本の伝統文化を新しい可能性で守っていく

おふろ部では日々、入浴に関するさまざまな情報をお届けしていますが、今回のイベントを通し、改めて「温泉や銭湯と健康の関わり」を深く理解できました。

温泉は今や誰しもが知っている存在ですが、「人を健康にし、幸せにしてくれる」理由をしっかり理解し、またそれを拡散する人が増えるといいなと思います。

今、少しでも「こころが疲れているな」と感じる方は、温泉地に出掛けてみてはどうでしょうか。

おふろ部ではルフロ、そして稲葉氏の活動を応援するとともに、温泉や銭湯湯治の普及をおふろ部なりの貢献の仕方で協力していきたいと思います。

免責事項

アバター画像

編集部おふろ部

おふろ好きを増やし、おふろを「持続可能な文化」として継続していくため、給湯器などの製品を国内外に展開する住宅設備機器メーカーであるノーリツがおふろのプロとして運営しています。薬機法管理者の観点からも安全で信頼できるお役立ち情報を届けするとともに、おふろ部の活動についても発信していきます!

このライターの記事一覧

  • 前の記事を読む
  • 次の記事を読む

カテゴリー