おふろ部の活動に参画いただいている甲南女子大学 人間科学部 生活環境学科の松村ゼミより、松村俊和教授が本記事を執筆。
甲南女子大学 人間科学部 生活環境学科 教授
松村俊和
みなさんは海外に旅行に行くと、日本の湯船が恋しくなることがありませんか。私もそうなのですが、今回は特に印象深かったことを前編・後編に分けてお話します。
欧米のバスルームには湯船はなく、シャワーだけのことがほとんどです。私はこの秋にポルトガルのマデイラ島に10日間ほど国際学会に行ってきました。
ポルトガルには関西空港から直行便はなく、トルコのイスタンブールで乗り換えてポルトガルのリスボンに向かいました。往路は飛行機の乗り継ぎ関係のためリスボンで1泊してから、マデイラ島への飛行機に乗ってようやく到着です。
マデイラ島では、日本のような蒸し暑さはなく、カラッと快適な日々を過ごしました。
ただ、マデイラ島にはシャワーしかありませんでした。
これまでも、海外のおふろ事情に関しては困ったことが何度かあります。
インドネシアのバリ島では、湯船がなくて水浴びで過ごしました。
気候的に水浴びでも不満はありませんでしたが、やっぱり日本の湯船が恋しくなったのを覚えています。
また、オーストラリアではシャワーからお湯は出るものの、満足できる量ではなく…。
アメリカではバスタブはありましたが、いつまで経っても蛇口からはぬるま湯しか出ず、使っているとそのうち水になってしまう、なんてこともありました。
このように、お湯が出たとしてもスズメが水浴びできる程度のチョロチョロしか出てこない、あるいは蛇口から水しか出てこないなどを経験し、海外旅行は楽しいので好きなのですが、おふろに関しては日本ほどの国はないと思います。
今回マデイラ島で宿泊したホテルのバスルームは、過去の経験に比べると十分すぎるぐらいでした。温かいお湯がたっぷりと出てきて、海外としては満足できるものでした。
国際学会での発表も無事に終わり、ようやく日本への帰路につく頃には、日本のおふろがとても恋しかったです。私は、帰宅したら湯船につかることをとても楽しみにしていました。
復路も飛行機を2回乗り換え、自宅までは待ち時間を含めて約1日半の行程、ストレスも溜まってきます。
イスタンブール空港で待っていると、掲示板に最大で数時間遅れとの表示が…。
幸い、自分の搭乗便ではなかったのですが、自分の復路を考えるとここでの遅延は「可愛そうだな」と思ってしまいました。
と、他人の心配をしていた矢先、搭乗予定時刻になっても搭乗案内がありません。
ゴロゴロと鳴っていた雷が原因で、機材が到着せず遅延するとの説明がありました。深夜の2:00出発予定が、3時間半遅れの5:30に変更です。楽しみにしていた日本でのおふろが遠のいていきました。
空腹のため空港を見回るとバナナは1本300円、ハンバーガーのセットは2500円です。仕方なく空港で1500円のピザを食べて空腹を満たしました。
一体私は無事に自宅へ戻れるのでしょうか…。
後編へ続く!