普段から入浴時間を気にして湯船に浸かっている人はどのくらいいるのでしょうか。
いつもの入浴にプラスして、少しだけ時間を気にしてあげるだけで、リラックス効果や睡眠の効果を高めてくれる可能性があります。
本記事では入浴時間がどう関わってくるのかを解説していきます。
どのくらいの入浴時間が普通?
株式会社バスクリンが2022年3月に実施した「2021年度 バスライフ実態調査」によると、平均入浴時間は11.6分だそうです。
思っていたより少ない気もしますが、これでもコロナ禍という時代の変化によって2年連続入浴時間が伸びている、という実態。
理由としては、湯船に浸かりながら動画や音楽を見る若者が増えているそうです。防水のスマホケースやスピーカーなどの商品も年々充実してきているので、現在ではさらに入浴を楽しむ人が増えているかもしれませんね。
長風呂は良い?悪い?
長風呂とは20分以上の入浴のことを指します。平均時間の約倍の入浴時間ですが、そんな長風呂が良いのか悪いのかというと、結論、「悪くはないけど身体への負担には注意してね」という回答がふさわしいかもしれません。
一般的にリラックスできる入浴時間というのは10分~15分とされています。20分くらいまでなら浸かっている人も多いかと思いますが、それ以上になってくると、“長風呂”と言われる境目となります。
良し悪しについて、さらに詳しく見ていきましょう。
長風呂のメリットとは?
なんといっても、しっかり身体を温められるというところ。
そもそも入浴には「温熱作用」「水圧作用」「浮力作用」と3つの作用が働くとされています。これらがリラックスへと導き、老廃物の排出やむくみの緩和などをもたらしてくれるそうです。
なので単純に、お湯に浸かっている時間が長いとその作用をより多く受けられるということになります。
長風呂のデメリットとは?
長風呂は身体を温めてくれるだけでなく、注意も必要です。しっかりデメリットを理解しておくことで危険を事前に防ぎましょう。
<のぼせ>
お風呂から上がった際に、ふらふらと感じる場合、身体がのぼせている可能性が高いです。
のぼせると頭がぼーっとしてしまい、浴槽で溺れてしまったり浴室での転倒、怪我に繋がるような事故が考えられるため大変危険です。
<お肌の乾燥>
人間の皮膚は非常に薄く、その皮膚の潤いを保ってくれているのが、皮脂やセラミドと言われる保湿成分なんだそうです。ですが長風呂をするとその2つが流れやすくなり、乾燥を招きやすくしてしまいます。
(前略)長風呂をすると、皮膚表面の皮脂やこのセラミドが流失するのです。皮脂やセラミドが流失すると、角層が水を保つことができなくなり、さらには肌の内部の水分まで失うこととなります。結果として、うるおい肌どころか、逆に乾燥肌になってしまう可能性があります。
<身体への負担の大きさ>
入浴による温熱作用には血行を促進してくれる働きがあると言われています。適度な入浴時間であればリラックスで留まれるものが、過度な長風呂をしてしまうと血圧が大きく上昇し心臓への負担になってしまう可能性があるそうです。
半身浴はどっち?
デトックス効果としても知られている半身浴。長く浸かれば浸かるほど汗をかき、デトックスに繋がると考える人もいるでしょう。
ですが何事も「しすぎ」は禁物です。全身浴と比べ身体への負担が少ないとされている半身浴でも20分以上の入浴は長風呂となり、先ほど説明したデメリットをもたらす可能があります。20分程度を目安に行うようにするといいそうですよ。
自分にベストな入浴時間を見つける!
入浴というのは、その日の気分や体調、タイミングによって身体に与える影響にも変化があります。そのため、さまざまな入浴方法を知っておくと便利かもしれません。
温度によって入浴時間を分ける
お風呂メディアを参考にすると主に3つの温度で湯温を分けることができます。
・38℃以下の「低温浴」
・39℃〜41℃の「中温浴」
・42℃上の「高温浴」
湯温は、人間の自律神経に深く関係してきます。
人間には「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経が組み合わさった自律神経というものがあります。この2つの神経が入浴に与える効果は全く異なり、またそれが湯温によって左右されるものなんだそうです。
(前略)42℃以上の熱いお湯に入りますと交感神経が高ぶります。興奮状態になるため、血圧は上がり、脈は早まり、汗をかき、筋肉は硬直します。また、逆に胃腸の動きは止まってしまいます。
一方、40℃程度のぬる湯につかると、副交感神経が刺激されて心身がリラックスし、血圧は下がり、脈はゆっくり、汗もかかず、筋肉もゆるみます。胃腸は活発に動き、消化がよくなります。一概にお風呂の効果といっても、わずかなお湯の温度の違いによって体の反応は正反対に動きます。(後略)
入浴時の体調や状況に合わせて、湯温と入浴時間を決めてもいいでしょう。
・38℃以下の「低温浴」
いわゆるぬるめのお湯。ぬるめのお湯にじっくり浸かることで、身体の芯から温まることができます。じわじわと身体を温めることによって、急激に体温が下がることを避けられ、湯冷めなどを起こしにくいとも言われています。そんな低温浴の理想の入浴時間は10分~15分程度。
また、身体への負担が1番軽いため、心臓の弱い高齢者にもおすすめできる入浴法です。
・39℃〜41℃の「中温浴」
低温浴よりも温度が高いことによって、身体を温める効果も高まるそうです。
低温浴・中温浴はリラックスへと導く副交感神経を優位にするため、身体の疲れをとりたい日の夜にはピッタリです。
低温浴と同様に、10分~15分程度を目安とするといいでしょう。
・42℃上の「高温浴」
副交感神経が働く低温浴・中温浴と比べ、交感神経を優位にさせるのが高温浴です。興奮状態になっているということは身体が休まっているとは言えません。睡眠の邪魔をしてしまう可能性も高いです。
そのため、朝風呂やリフレッシュなど気分の入れ替えをしたい時に活用をするといいでしょう。そして、熱い湯に浸かることは身体への負担も大きいため、5分程度が良いとされています。
快眠には低温浴または中温浴を10分~15分程度
ぐっすり眠りたい日には低温浴または中温浴を10分~15分程度、就寝の1〜2時間前に行うのが理想的だそうです。
内臓など身体の内部の温度を指す深部体温が下がると、人は眠気に誘われるそうです。ちょうど就寝のタイミングで深部体温を下げ自然に眠りにつくためには、就寝の1〜2時間前に入浴をしておくことがおすすめされています。
高温浴は逆に目を覚ましてしまうため注意しましょう。
健康的なお肌を導くには低温浴または中温浴を10分~15分程度
お肌の状態を良好にしたい場合も低温浴または中温浴がおすすめです。10分~15分程度じっくり浸かり、身体を芯から温めることによって血行が良くなると言われています。
その結果、ターンオーバーを正常に戻し、お肌のキメやくすみなどの緩和をもたらしてくれるのだそうです。
熱いお湯は、長風呂と同様で肌の乾燥を促してしまうため、美肌作りには避けた方がいいでしょう。
ベストな入浴のお供には入浴剤の使用がおすすめ!
最後に、より良いバスタイムを送るためにおすすめなのが、「入浴剤」の使用です。コスメや美容などの情報を発信しているメディア「LIPS」によると、入浴剤には以下のような効果が期待できるそうです。
先ほど、快眠や健康的な肌に導く入浴時間を紹介しましたが、合わせて入浴剤を使用することでより効果を実感できるかもしれません。
また入浴剤は形状によってタイプが異なり、あらかじめ欲しい効果効能が決まっている方は、購入時に以下を意識してみてください。
今では数えきれないほど多くの入浴剤が販売されているので、どの商品が良いか悩んでしまう方もいるでしょう。
その場合にも、まずはタイプより形状を見た方が選びやすいかもしれません。形状で選ぶだけでも選択肢を絞ることができるので、それに「好きな香り」や「湯色」「金額」などの好みを足していけば自分に合った入浴剤選びができるのではないでしょうか。
リラックスや質の良い睡眠をより実感したい方はぜひ入浴剤の使用を検討してみてください。
自分にあったベストな入浴時間を
入浴時間について紹介してきましたが、まずは自分のライフスタイルにあった入浴時間を選択することが1番です。
忙しい日やお風呂が面倒な日には、そんなことを考える余裕もないかもしれません。ですが少しだけ余裕がある日には本記事を思い出して、自分の身体を労わってあげてください。