こんにちは。温泉大好きはしもです。温泉が恋しい季節がすぐそこまで来ていますね。
今回は、鹿児島の温泉街で頑張るご夫婦の紹介をしようと思います。
訪れたのは、鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市の「川内高城(たき)温泉」。
昭和から時が止まったようなレトロな雰囲気で、知る人ぞ知る温泉地です。
800年以上の歴史があり、あの西郷隆盛もたびたび通ったといわれています。
温泉で今、何が起こっているのか?
日本には温泉地がいくつあるか知っていますか?
答えは3,000ヶ所。思ったより多いのではないでしょうか。
箱根や草津、別府といった大きくて有名な温泉地がある一方で、小さな温泉地もあります。
温泉に泊まりに来る人の数は、ピーク時から1割ほど減りました。日本には温泉宿以外の宿もたくさんありますし、昔に比べて気軽に海外旅行に行けるようになりました。この流れは変えがたいものです。
全国の多くの温泉地で、廃業する宿が増えています。
今回訪れた川内高城温泉も例外ではありません。
高城温泉を盛り上げろ!若夫婦の挑戦
そんな高城温泉を盛り上げるべく、福岡からやって来たのが青崎さん夫妻。
お二人は「地域おこし協力隊」として、薩摩川内市に派遣されました。
地域おこし協力隊は、全国様々な地域におかれています。最大3年間の任期の間、全力で地域を盛り上げる取り組みをし、任期終了後も定住して活動を続けることが目指されています。商品開発やイベントづくりなど、様々な取り組みが全国で行われています。
協力隊の青崎さんご夫妻の活動と、旅館などが参加している「せんだい高城温泉よか湯協議会」の活動によって、川内高城温泉は元気を取り戻しています。
そんな高城温泉を盛り上げているお二人に、インタビューしました。
はしも「お二人は、どうして高城温泉に来られたのですか?」
芳子さん(以下、敬称略)「私は、薩摩川内の町中の方で生まれ育って、子どもの頃は家族で高城温泉を訪れていました。薩摩川内に戻りたいなって思っていて、市役所に移住の相談に行ったところ、協力隊を勧められました。」
剛さん(以下、敬称略)「私は福岡出身で川内高城温泉に行ったことはありませんでしたが、温泉が好きだったので移住することにしました。」
芳子「二人とも温泉が好きですね笑」
はしも「川内高城温泉のどのようなところを魅力に感じますか?」
芳子「昔の旅館が立ち並んでいて、レトロで歴史があります。一方で改装も進んでいて、新旧入り混じる不思議な雰囲気があります。」
はしも「50年前で時が止まったかのようなレトロ感がたまらないですよね。改装で失われてしまうのはもったいないような気がします。」
芳子「できれば残ってほしいですが、難しい事情もあります。昔の建物は、大工さんの趣味で建てられたものが多く、簡単に直すことができないから壊すしかないことも多いのです。」
はしも「そうなんですか!趣のある建物がかえってリフォーム上では問題になるという……」
はしも「地域おこし協力隊として、どのような活動をされてきたのですか?」
芳子「ロゴを用意して、パンフレットやホームページ、グッズを作りました。そのほかにも、イベントを行うなどして、高城温泉の知名度を上げようとしています。現在は年に4回イベントを行っていて、9月には縁日を行いました。旅館の人は高齢化が進み、自分たちの宿で手いっぱいの状況です。私たちは、その間に入ってサポートしています。」
はしも「全国の温泉地で高齢化の問題がおこっています。」
芳子「後継ぎがいなくて、体力的にも大変な中営業を続けている旅館さんが多いです。でも、お客さんが来てくれることでやりがいを感じ、『もうちょっと頑張ろうかな』と前向きな気持ちになってもらえます。」
はしも「初めて住む場所で活動を行うのは、大変ではなかったですか?」
芳子「皆さんにとってもよくしてもらっています。むしろ、楽しくやれていますね。」
剛「夫婦でやっているので、協力してもらいやすいと思います。地域の人とコミュニケーションがとりやすいです。」
はしも「これからの高城温泉は、どうなってほしいと考えますか?」
芳子「高城温泉はいい温泉ですが、1ヶ所だけでのPRには限界があると思います。薩摩川内市に来た人が立ち寄れる場所になってほしいですね。鹿児島県の中で楽しんでまわる流れをつくって、その中に高城温泉が組み込まれればいいと思います。少しずつ、周りの地域で活動する地域おこし協力隊とのつながりができてきました。広いエリアで地域おこしができればいいですね。」
はしも「今日はお忙しいところありがとうございました。」
剛「写真撮っていきますか?」
はしも「ぜひお願いします!」
ということで、インタビューを終えた後、3人で記念撮影をしました。
いざ入浴!美肌の湯の実力は?
お二人のお話を聞いて、僕も川内高城温泉の魅力を体験しようと思いました。
そう、温泉に入りたくなってきたのです。
お二人のおすすめは、梅屋旅館。古くてもきれいなのがいいところだとか。
昔と違って団体客でにぎわうことはありませんが、今でも当時の面影を濃く残しています。それでいて清潔感があるので、楽しく宿の中を探検させてもらいました。
一通り館内を案内していただいたあと、いよいよ温泉に入ります!
お湯は無色透明で、キレがありながらまろやかな手触りです。少し熱めなので、しばらくつかっているとじんわりと温まってきます。
泉質は、アルカリ性の硫黄泉。
「ナトリウム-炭酸水素塩泉」とあれば、重曹泉のこと。重曹というと、台所のお掃除に使ったり、山菜のアクを取りたいときに使ったりします。つまり、肌の汚れや角質を優しく落とすサポートをしてくれるのです。肌の表面がすべすべになるのを実感できるうれしい温泉の働きですね。ちなみにpH8.5以上の「アルカリ性の温泉」も同じような作用が期待できます。
(出典:「化粧品を選ぶように温泉を選ぶ! 温泉美容の基礎知識」- NIKKEI STYLE)
※強調ははしもが行いました。
この2つの引用からもわかるように、「アルカリ性」「硫黄泉」はどちらも美肌効果が期待できる泉質です。一度にWの美肌泉質を味わえるのですから、素晴らしい温泉と言われるのも納得です。
ちなみに、硫黄泉といっても、川内高城温泉のお湯は硫黄の匂いはほとんどありません。敏感肌の人も安心して入れる上に服が臭くなる心配もありません。
川内高城温泉は、この素晴らしい泉質によって、「日本の名湯100選」に選ばれました。群馬の草津温泉や神戸の有馬温泉などの超有名温泉地に肩を並べる、実力派の温泉地として認められたのです。
すっかり肌がスベスベになって、外食続きで脂が気になっていた肌の調子が良くなった気がしました。
梅屋旅館は、6時から21時までと日帰り入浴の営業時間が長い上に、250円(小人100円)という格安の入浴料金も魅力です。是非ドライブの途中に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、宿泊料金も素泊まり2,600円~と、びっくりするほど安いです。
川内高城温泉に行くべし!
僕は川内高城温泉を訪れたのは初めてでしたが、独特の雰囲気と素晴らしい温泉にすっかり魅了されてしまいました。しかも、青崎さんご夫妻をはじめとするさまざまな方の努力によって、小さな温泉地に大きな変化が起こっています。
これからも進化し続ける川内高城温泉に、また行きたくなりました。
日本の温泉地を取り巻く状況は、どこも非常に厳しいです。宿泊客の減少、人手不足、相次ぐ災害……このような状況の中で奮闘する人たちのことを少しでも知ってもらえたらうれしいです。
はしも
温泉大好き東大生。2017年は1年で100ヶ所以上の温泉を訪れました。東大温泉サークルOKRの代表として、日々温泉と真剣に向き合っています。温泉以外の趣味は、鉄道と料理。温泉旅行の合間に楽しんでます。