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風呂桶と言えば、「黄色いアイツ」。その秘密に迫る!

2018-08-20

はじめまして。ライターのよっさんです。

私は、温泉旅館に泊まるのが好きなのですが、風呂場には必ずと言っていいほど

黄色い「ケロリン桶」が置いてありました。

皆さんも温泉や銭湯に行った時、こんな黄色い風呂桶に出会いませんでしたか?

ケロリンの風呂桶

出典:ケロリン・ヘルスケアショップ

こちらは「ケロリン桶」といって、槽のお湯を掛け湯として汲むための風呂桶(湯おけ)の一種です。阿部寛さん主演の映画「テルマエ・ロマエ」にも、この黄色い風呂桶は登場し、主人公が感動する場面がありました。今回はこの黄色い風呂桶に隠された秘密をご紹介します。

 

【疑問1】そもそも「ケロリン」って何?

黄色い桶には「ケロリン」と書かれていますが、これは,富山県の製薬会社「内外薬品」(現:富山めぐみ製薬)が製造・販売している痛み止めです。主な成分は「アスピリン」と「桂皮(シナモン)」で、何と、90年以上も前の大正14年から作られています。

【疑問2】どうして風呂桶に商品名があるの?

この風呂桶が誕生したのは、およそ50年前の話です。

もともと銭湯では木の風呂桶が使われていましたが,耐久性や衛生上の問題から,銭湯の風呂桶が,木から合成樹脂に切り替えられていきました。そんななか,東京オリンピックの前年(昭和38年)に広告代理店の睦和商事(当時)から「湯桶にケロリンの広告を出しませんか?」と持ち掛けられたのがきっかけ。当時,内外薬品では,「ケロリン」を置いてもらいたいと,全国の薬局薬店へ営業活動をかけており,多くの人が目にする風呂桶に広告を出すことにしたそうです。

出典:ケロリンファンクラブ

ちなみに昭和38年の住宅統計調査では、各家庭でまだ内風呂の普及率は6割程度であり、銭湯でお風呂に入るという行為はまだまだ一般的でした。

この風呂桶が好評となり、その後全国の銭湯、温泉、ゴルフ場などの浴室へと広がっていったのです。以来,延べ250万個が納入され、現在も年4~5万個のペースで納入が続けられています。

出典:ケロリンファンクラブ

【関東と関西でサイズが違う?!】

この「ケロリン桶」は、関東型と関西型の2種類があり、サイズが違います。

●関東型 :重さ360g 直径225mm 高さ115mm
●関西型 :重さ260g 直径210mm 高さ100mm

どうしてサイズが2種類あるのでしょうか?その理由は入浴習慣の違いからきているようです。

大阪では銭湯経営者から「大きすぎる」と指摘を受けたことが関西版を開発するきっかけになったという。関東などではカラン(蛇口)から出る湯で体を洗ってから、浴槽につかるのが一般的。浴槽から風呂おけで湯をくむことはあまりない。

 一方、関西では最初に浴槽から風呂おけで湯をくみ、掛け湯をして浴槽につかる。浴槽からくんだ湯で体を洗うこともある。浴槽から湯をくむ際、関東版サイズでは重く、使いづらい。

出典:日経スタイル「銭湯、東西でこんなに違うおけ・浴槽・カラン…」

筆者の自宅には2種類ともあるのですが、試しにお湯を入れて比べてみたところ、関東型は片手でお湯をすくうには重すぎました…

試しに風呂桶いっぱいにお湯をすくった場合の容積を計算すると、関東型ではおよそ4.5ℓ、関西型では3.5ℓと重さに1㎏近い差が出ました。実際に使う時に入るお湯の量はもっと少ないとはいえ、確かな差がありました…

風呂桶のサイズが、銭湯での入浴方法に由来するなんて意外ですね。

 

ケロリン桶関東型・関西型

出典:ケロリンファンクラブ

 

【全国で使われる「ケロリン桶」、中にはレアな白いものも】

今も、全国のお風呂で使われ続けている「ケロリン桶」。最初の時期だけ製造された白いものや、脚付きのもの、オリジナルのロゴマークが入ったものなど、実は様々なタイプがあるようです。ご実家や旅先で、この風呂桶を見かけたら、ふと目を凝らしてみてはいかがでしょうか。

 

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よっさん

おふろは,眠りにつく前に欠かせないひと時。ボーっとしていたはずが,仕事のことを思い出してしまうこともある…よっさんです。 自宅のお風呂は狭いので,温泉で広いお風呂に入れると,とっても気持ちが良いです。 おふろ部の活動をしながら,おふろをより楽しめるグッズ,アイデアを見つけていきたいと思っています。

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