「湯治」という言葉、皆さんはご存知ですか?
――ゆじ……?
いいえ、「とうじ」と読みます。文字通り「お湯で心身の不調を治す」ことを目的とした温泉旅のスタイルを指しますが、僕も大学生になるまで知りませんでした。実は湯治はひと昔前までは盛んに行われていたのですが、現在ではすたれつつあるのです。
でも、僕は皆さんに湯治の良さを知ってほしい!若い人にこそ湯治を勧めたい!
僕は大学で東大温泉サークルOKRに入って湯治を体験するようになり、その良さに気づきました。若くて特に不調を感じていなくても、温泉に入れば元気が出てきます。そして、美肌にもなれるでしょう。他にもいいことづくめの湯治、そのメリットを皆さんにご紹介します。
湯治のメリットその1:とにかく安い!
温泉旅行といえば、高級な旅館に泊まって豪華な食事を楽しむことをイメージする人も多いでしょう。ところが、湯治はそうではありません。湯治は基本的に素泊まりなので、安く泊まることができます。
湯治のプランがある旅館では、一泊で2,500~5,000円が相場です。ビジネスホテルと値段が変わりませんね。それならば温泉が楽しめる湯治の方が魅力的に感じませんか?
しかも部屋はレトロで落ち着いた造りが多いのです。一人でぼーっと過ごすのも、友達とワイワイやるのも楽しいでしょう。僕の所属する東大温泉サークルOKRでは、湯治ができる宿を合宿先に選ぶことが多いです。
湯治ができる宿には誰でも使える台所がある場合が多く、自分で料理をすることが多いです。
湯治のメリットその2:温泉を満喫できる!
安く温泉宿に泊まることができる湯治は、長期滞在が基本です。数ヶ月いる人もいるのだそうです!それだけ長くいれば、温泉がよく効きます。
温泉ソムリエの遠間さんによれば、温泉の効き目は1週間入り続けた頃に現れてくるのだとか。(温泉ソムリエの癒し温泉ガイドより)
でも1週間も休みが取れない……という方も、ご安心ください。
連泊するだけで、体の調子が全く違います。2泊すれば移動をせずのんびり過ごせるだけでなく、温泉に3日間浸かることになるので大分効果を感じられるのです。
湯治をやっている温泉は本格的なお湯が多く、どの宿もこだわりを持って最高の温泉を提供されています。おふろは素朴な作りですが、お湯は最高です。
この温泉、なんと木の香りがする不思議なお湯なんです!気分は森林浴ですね♪しかも、嬉しいことに重曹の成分が老廃物を洗い流し、体をポカポカに保ってくれます。(「旅館大沼」公式ホームページより)
そしてこちらは美肌の天敵・角質を落としてくれる硫黄がたっぷり入ったにごり湯。さらには高血圧などの生活習慣病にも効くのだそうです(「黒湯温泉」公式ホームページより)。
どちらも魅力的です。
湯治のメリットその3:新しい人間関係ができる!
安い値段で長く泊まれる湯治では、自然と人間関係も生まれます。一緒に泊まっている人と同じおふろに入ったり、毎日宿のご主人と顔を合わせたり。実は、湯治のもう一つの特徴は、毎年のように通うことにあります。同じ温泉に何度も行くことで、すっかり地元の人と仲良くなるでしょう。
僕も、宮城県の東鳴子温泉に4回通い、宿のご主人と仲良くなりました。写真は温泉サークルの合宿として2回目に東鳴子を訪れた時の記念写真です。
若者にこそ湯治が必要
湯治のメリットは、①とにかく安い、②温泉を満喫できる、③新しい人間関係ができる、の3つでした。こうしたいいことづくめの湯治を手軽にできるように僕たちが提案するのが、「ワカモノ湯治」です。
何週間も滞在するような「湯治」は一昔前のものになりつつあります。長い休みを取ることが難しい中、より手軽に湯治の良さを味わえるスタイルを、僕たちは「ワカモノ湯治」と名づけました。
連泊して、地元の食材の料理を食べて、また湯治しに来る。それだけで湯治のメリットが得られるでしょう。1週間いなくても、3日でいい。料理はせずに、近くの飲食店でもいい。湯治のメリットが得られれば、あとは自由に過ごせるのがワカモノ湯治です。この新しい温泉旅行のカタチを、僕たちは宮城県・東鳴子温泉から発信しています。
ワカモノ湯治について気になった方は、僕たちの所属する東大温泉サークルOKRの「鳴子ワカモノ湯治」を見てみてください(リンクが開きます)。
最後に、湯治のメリットをもう一度振り返ってみましょう。
- とにかく安い……安く旅したい学生にピッタリです!
- 温泉を満喫できる……普段は入れないような本格的な温泉が楽しめます!
- 新しい人間関係ができる……旅先での出会いで会話が弾みます!
是非コスパ最強の湯治をしてみてください。
はしも
温泉大好き東大生。2017年は1年で100ヶ所以上の温泉を訪れました。東大温泉サークルOKRの代表として、日々温泉と真剣に向き合っています。温泉以外の趣味は、鉄道と料理。温泉旅行の合間に楽しんでます。